WATARU
お悩みさん
・インボイス制度が導入されると何がおこるの?
・何か対応しなければならないの?
というお悩みを持っている方向けの記事を書きました。
最近、世間を騒がせているインボイス制度ですがその施行期日が迫ってきております。
インボイス制度によってフリーランスエンジニアは「課税事業者」になることが求められるようになり、課税事業者として消費税の納税が発生します。
消費税の納税が発生するようになると、使えるお金が実質的に減るため免税事業者としては働いているフリーランスエンジニアにとっては痛手となります。
この記事ではSES契約で働いているフリーランスエンジニア目線でインボイス制度について具体的に解説していきます。
この記事を信頼してもいい理由
記事を書いている人が・・・
・現役のフリーランスエンジニア
・SES契約で稼働中
・フリーランス歴7年
今回解説する内容
・インボイス制度について
・インボイス制度で何がおこる?
・インボイス制度に向けてやるべき事
インボイス制度は個人事業主や一人社長などに向けて実質的な税制改悪の制度になります。
国が決めた制度のため抜け道や逃げる術は基本的にはありませんのでしっかりと理解して対応をしていきましょう。
結論:課税売上1,000万円以下でも課税事業者にならせるための制度である
結論、インボイス制度は免税事象者として活動している事業者を、免税事業者から課税事業者に変更させるための制度です。
インボイス制度が開始されると、課税事業者は「仕入税額控除」を受けるために、仕入れ先から「適格請求書」を受け取る必要があります。
「適格請求書」は課税事業者でしか発行できないため、「適格請求書」払いだすために免税事業者は課税事業者になるために申請書を提出する必要があります。
この制度を理解するためには、消費税の仕組と各用語を理解する必要があります。
本文で詳しく解説していきます。
インボイス制度について
インボイス制度が導入されるにあたり、SES契約で働いているフリーランスエンジニアは事前にインボイス制度を理解して対応すべきことを認知しておく必要があります。
この章ではSES契約で働いているフリーランスエンジニア視点でインボイス制度について解説をしていきます。
これまでの消費税の仕組って?
新しく導入されるインボイス制度を理解するために「これまでの消費税の仕組を理解する」必要があります。
一般的に消費税は「消費者が負担し事業者が預かり納税する税金」です。
上記の図で解説すると
①消費者は10.000円の商品を購入する場合、消費税を1.000円(10%)を支払う必要があります。
②商品を販売した事業者は預かった消費税を納税する必要があります。
③事業者は商品の仕入れを実施する際に仕入れ先事業者に消費税を支払っているため支払った消費税分は納税が免除されます。
④仕入れ先事業者は事業者から預かった消費税を税務署に支払う必要があります。
これが一般的な消費税の仕組になります。
この消費税の仕組を理解しておくことでインボイス制度の理解度が上がりますからしっかり意識しておいてください。
インボイス制度を理解するための用語
インボイス制度を理解するために知っておくべき用語について理解しておきましょう。
インボイス(適格請求書)
売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。
具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータをいいます。引用元:国税庁
SES契約で働いているフリーランスエンジニアの方の立場で言うと、発注をもらっているエージェント企業に対して、消費税をもらったよと伝える行為やその書面データということになります。
免税事業者
納税義務が免除される事業者、課税資産の譲渡等を行っても、その課税期間は消費税が課税されない。
引用:国税庁
年間の課税売上が1,000万円に満たない場合、免税事業者ということになります。
SES契約で働いているフリーランスエンジニアは一般的に年間の課税売上が1,000万円に満たない事業者である場合が多いと思いますので、「消費税課税事業者選択届出書(課税事業者になるための申請書)」を提出していない限りは免税事業者としてと思っていてよいでしょう。
課税事業者
課税事業者とは、消費税を納付する義務がある法人、個人事業主をいいます。
引用:弥生会計
年間の課税売上が1,000万円を越えている場合は課税事業者に該当することになり、前項で解説した消費税を申告し納税する必要があります。
SES契約のフリーランスが理解すべきインボイス制度とは
SES契約のフリーランスエンジニアが理解しておくべきことは
・売り上げが1,000万未満でも「課税事業者」にならないと仕事が減る可能性がある。
・課税事業者になると発行できるようになる適格請求書が無いと、エージェントが消費税を二重で支払う事になる。
という点です。
これまで、エージェント(事業者)は発注先のフリーランスエンジニアが免税事業者であったとしても仕入税額控除を受けることができていました。
しかし、インボイス制度が導入されると、エージェントが仕入税額控除を受けるにはには「インボイス(適格請求書)」が必要になります。
そのため、フリーランスエンジニアはエージェントが控除を受けられるように「適格請求書」を発行する必要があるのです。
インボイスが導入された場合の税金の納税フローは以下のようになります。
インボイス制度で何がおこる?
では具体的にインボイス制度が導入された場合、SES契約で働いているフリーランスエンジニアには何が起こるのでしょうか。
課税売上が1000万以下でも課税事業者にならないといけない
まず、発生する事として「課税売上が1000万以下でも課税事業者になる」必要があります。
一点補足をすると、課税事業者になるかどうかについては本人の選択に委ねられておりますので免税事業者としてフリーランスとしての活動をしていくことは可能ではありますが。
今後、エージェントから提出を求められるであろう「適格請求書」を発行できるのが「課税事業者」だけであるため、特別な事情が無い限りは、課税事業者になることを推奨されます。
課税事業者にならない場合は企業からの取引停止も考えられる
インボイス制度の導入により「課税事業者にならないフリーランスエンジニアとの取引停止」も充分に考えられます。
エージェント側は今まで相手のフリーランスエンジニアが免税事業者であったとしても「仕入税額控除」を受けることができておりましたが、インボイスが導入された場合は「適格請求書」を発行してもらわない限り、控除を受けることができないため、余分な消費税を支払う事になります。
大手企業であればあるほど経理の業務上、課税事業者以外との取引停止も充分に考えられると思います。
インボイス制度に向けてやるべき事
インボイス制度がどの程度の改悪なのかを理解した上で、これからSES契約で働いているフリーランスエンジニアがやるべきことについて解説していきます。
課税事業者になるか免税事業者になるかを決める。
まずは自分が「課税事業者になるか免税事業者になるかを決める」必要があります。
基本的には、所属しているエージェントや取引先から「課税事業者なって欲しい旨の通達が来る」と思います。
しかし、特殊な事例として「免税事業者のままでも取引を継続する(エンジニアの消費税を負担する)」企業があるかもしれません。
その場合は免税事業者のままでも契約を継続することが可能であり消費税の支払いも免除されます。
課税事業者になる場合は「国税庁」に申請書を提出する。
自分が「課税事業者になると決めた場合は「国税庁」に申請書を提出する」必要があります。
課税事業者になるには、国税庁に対して「消費税課税事業者選択届出書」を提出します。
インボイス制度が開始する2023年10月1日から制度の適用を受けるためには、登録申請書の提出期限である2023年3月31日までに登録申請が必要です。
2023年3月31日の提出期限までに提出が難しくなる事象により、提出が間に合わなかった場合には、2023年9月30日までに提出すれば2023年10月1日から登録を受けられるような経過措置が準備されています。
こんなニュースも!?
インボイス制度に向けてこんな情報も入ってきております。
インボイス制度について準備している企業は40%程度
インボイス制度開始に向けて、準備をしている企業や個人は全体の40%程度です。
引用:PRTIMES
上記の調査によるとインボイス制度に向けての準備をしている旨の回答は
・すでに行った(11.76%)
・今後行う予定(28.63%)
合計40.39%であることがわかりました。
このことから、インボイス制度に向けて企業側がわざわざ何かをやってくれる確立は50%程度と言えます、自ら情報をキャッチして行動をしていかないと手遅れになる可能性も充分にあり得ると思います。
まとめ:抜け道はない。課税事業者として活動していこう
まとめです。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回の記事ではSES契約で働いているフリーランスエンジニアがインボイス制度が導入される際に知っておくべき事についてまとめてみました。
要点は以下です。
・免税事業者として活動しているフリーランスエンジニアは課税事業者になる必要がある。
・課税事業者にならない場合は仕事が減る可能性もある。
・課税事業者になるには国税庁に申請が必要。
という点です。
冷静に考えれば、エンドユーザが払っている消費税をそのままポケットに入れるのもおかしな話かもしれません。
今回のインボイス制度について理解ししっかり対応していきましょう。
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